山口 英雄先生 国語 昭和39年~昭和48年

 清友高等学校の卒業生の皆様、長らくご無沙汰いたしております。

 私は昭和39年から48年まで国語科の教員として勤務いたしておりました山口英雄でございます。

 占春会の役員の方から、近況を書くようにとのお便りを頂戴いたしましたので、その後のことを

ご報告申し上げたいと存じます。

 清友から府立長野、八尾東、大和川、西浦、堺上と各高校に勤めましたが、私の大好きな古典を教えたのは、

八尾東までで、そのあとの11年間は雑事に追われ、困難な問題に直面する毎日でした。

 平成11年に定年退職してからは、もう教壇に立たないつもりでおりましたが、その後誘って下さる方があって、

三年後超進学校として知られる東大寺学園中高等学校へ招かれ、7年間勤務致しました。

 この時は同時に地域の自治会運営の責を負うことにもなり、多忙な日程を追いかけておりましたが、

今はすべての職務、職責を離れて、名ばかりの晴耕雨読の毎日を過ごしております。

 自治会運営につきましては、自分を生み育ててくれた父祖の地に、いささかのご恩返しができたことを歓びとしております。

 清友高校在勤の9年間に出会うことが出来た方々、そして親しく語らう機会をいただいたすべての方に

心から感謝いたしております。

 私の貧しく後悔の多かった青春時代の中でこの時だけが、いまだに輝いているように思っております。

 現在私は、もうすぐ満百歳を迎える老母と脚の不自由な老妻を抱え、自宅での老々介護に連日没頭困惑

しております。

 私は、来年春には喜寿を迎えますが、老老介護の縮図を実践している思いがいたします。

 私の住んでいる香芝市には、「石蕗短歌会」という歌会があり、ここで月に一回会員の皆様に、勝手気ままで

拙い短歌の話をさせていただいているのが、唯一のわが時間といった感じです。

 自分の人生の折々に、これまで短歌集を4冊出版いたしました。

 来年は喜寿ですので、できれば5冊目を、とも思っております。

 お読みいただける方があれば差し上げたいと思います。

 小説を書くという、若い頃からの私の夢は叶いませんでしたが、私の夢を曲りなりにも娘が実現してくれました。

 筆名「五代ゆう」でファンタジー小説を書き続けています。

 現在、栗本薫の中断した長編「グイン・サーガ」の続編を執筆中で、近日その4冊目が出版されるということです。

 懐かしさのあまり、よけいなことまで書きつらねてしまいました。

 卒業生皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 

                         平成27年8月26日 記